2013年03月10日

「RPGツクール for mobile」からリメイクされた作品等の紹介

◆はじめに◆
前にも記事を書いたのですが、かつてエンターブレインさんが「RPGツクール for mobile」と言うソフトを無料配布し、月1でコンテストを開催されていたことがあります。

僕個人も「His Satanic Majesty」と「迷子の少年」という二つの作品を投稿し、また(主に作品制作の参考の目的で)投稿作品のほぼすべての作品(最終回以外)をプレイさせていただきました。
しかしながらその後サービスはわずか一年で終了し、ツクールWebの移転とともに公式サイトからも投稿作品の痕跡は消えてしまいました。

もう遊べないゲームについて書くのも変かもしれませんが、自分にとっては大切な思い出の一部ですので、風化させないうちにここで記事にしておこうと思います。
また、一部の作品は作者の方自身の手によってリメイクされていますので、今でもプレイすることができます。またリメイクについても、可能な限り情報を集めてみました。
(※ただし、投稿作品全てについて網羅したリストではありません。コンテスト閉鎖までに携帯容量や時間が間に合わずプレイできなかった作品や記憶の薄いものについては言及していません)

▼リメイクされ今でも遊べる作品▼
リメイク作品については、僕自身はリメイク後の作品では遊んでいません。なので、作品についてのコメントと実際のリメイク作品とは中身が異なる可能性があると思いますのでご了承ください。
以下、各作品についての紹介及び感想です。

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「人であらずんば」(原作:「人で非ずんば」)
作者:ブラック・ウルフさん
http://www.freem.ne.jp/win/game/1555
個人的にはツクールモバイル投稿作品の中で一番面白かったと思う作品です。
シンプルな自作グラフィック、インパクトのある展開、そしてなによりRPGとしての出来が凄くいいです。
このゲームは実は二回クリアすることで真のエンディングとなるわけですが、この周回プレイが全く同じ事を二度やる…と思いきや、実は全然違うゲームなのです。
基本ストーリーやマップ、出現モンスターは完全に同じですが、主人公の覚えるスキルのコストが別物に変化します。一周目の戦闘では普通のRPGと同じようにMPを消費して技を繰り出しますが、なんと二周目ではほぼ全ての技がHPを消費して繰り出す技なのです。この二周目の命を削りながら戦う緊張感はなかなかのもので「スキルの性能を変えるだけでここまで戦闘に違いが出るのか…!」と衝撃を受けました。
もちろん、ストーリーも実は一周目と二周目で完全に別物です。細部以外はほぼ同じなのですが、その意味するところがちゃんと別物になっていて、意味のある物になっているのです。
ちなみにラストダンジョンのBGMも選曲が良く、そこまでが地味目な雰囲気に抑えられていただけにインパクトがあり、非常に印象に残っています。

1773.jpg
「勇者は旅立たない」
作者:ブラック・ウルフさん
http://www.freem.ne.jp/win/game/1773
ブラック・ウルフさんの初投稿作品で、プレイ時間は10分くらいのアドベンチャー?なのですが、なかなかにインパクトのある作品でした。エンディングが三つあり、どのルートに行ってもそれぞれに別々の方向性で毒のある終わり方をするのが良かったと思います。

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「ある勇者の遍歴 for PC」(原作:「ある勇者の遍歴」)
作者:連動さん
http://www.freem.ne.jp/win/game/3262
ふりーむ!のスクリーンショットを見てもらえばわかるのですが、敵キャラが全てなんだかよくわからない記号です。インパクトありすぎです。無駄なモノを一切排除したというコンセプトみたいですが、その割にボスキャラにはちゃんと手描きの画像があったりします。
ゲーム部分はひたすらダンジョンに潜って歩いて敵と戦ってボスを倒すというものですが、ボスを倒すごとに挿入されるストーリーが、割と毎度毎度衝撃の展開を見せてくれて、良くも悪くもライトノベル的な感じのお話だったと思います。

1999.jpg
「PANDORA LABIRYNTH」(原作:「PANDORA CASTLE」)
http://www.freem.ne.jp/win/game/1999
ツクールモバイルには変数というものが存在しないのですが、にもかかわらず「スコアアタックゲー」を実現したのがこの作品だったと思います。要は所持金がスコアとして評価される仕組みです。特定の敵を倒すと手にはいる「ボーナス券」と言うのを集めるて宝箱に話しかけると換金できる感じでした。
ストーリーはオーソドックスで、かつステージクリア形式のわかりやすいRPG作品だったと思います。

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「最新携帯V999i」
作者:新栄友康さん
http://www.freem.ne.jp/win/game/2574
投稿作品にはあんまりなかった現代モノのRPGで、全体的にオーソドックスな作りの作品でした。携帯アプリで携帯電話をネタにしたRPG…というメタな部分も良かったと思います。あとは投稿作品には珍しくクリア後の開発室なんかもあったのが印象に残ってます。

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「あまりものXP」(原作:「あまりもの」「あまりもの2」)
作者:めぇー銀♪さん
http://www.freem.ne.jp/win/game/1612
村の兄妹が妖怪を討伐していくRPGだったと思います。ストーリーについては…説明不足な点が多くて良くわからなかった気がします。ただ、グラフィック全自作&音楽も自作とのことで、その点は凄いと思いました。

▼リメイクされていないが紹介ページなどが残っている作品▼
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「THE TOWER」
作者:954さん
http://954.ifdef.jp/index.html
主人公の「ダンテ」を操作し、たった独りでザコと戦いレベルを上げながら塔をひたすら登っていく…というめちゃくちゃ地味な作品なのですが「レベルを上げてより強い敵を倒せるようになる、行動範囲が広がる」というRPGの基本コンセプト(あるいはドラクエ的感覚)がちゃんと味わえる良作だったと思います。(本当に最上階までは一切のストーリーの展開がないですが…)
敵キャラは自作のドット絵で、色違いが多いなど割とレトロスタイルが意識された感じになっています。
塔の最上階まで登りきるとボス戦なのですが、お約束ながら歩に落ちる感じのラストの展開になったり、さらにクリア後にもお姫様が仲間になってちょっとした冒険ができるなどいろいろと楽しかったです。

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「伊達家」
作者:サウラスドさん
http://rtdweb.web.fc2.com/index.html
伊達家の人間がオールスター出演して戦いあうと言う内容の作品。
戦闘部分は敵の経験値が多すぎて数人目くらいでレベルカンストしてしまったり一部の技能が強すぎて武器を合成する意味がなかったりなどいろいろ残念な部分も多かったですが、グラフィックに関しては非常に綺麗で、他の作品と余りにもレベルが違いすぎて度肝を抜かれました。また、実際のメニュー画面も「どうやって作ったんだ…!?」とビビるような処理をするオリジナルメニューになっておりました。

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「2nd/Region」
作者:新谷一帆さん
http://www.geocities.jp/sintani_kazuho/index.html
さりげなくお気に入り作品の一つです。まず黒星紅白さん風の自作の顔グラフィックがとてもかわいく、いい味を出しています(作者の方のwebページにもキャラ紹介が残っています)。内容も、確か主人公の兄妹が「裏の世界」と「表の世界」を行き来し冒険するというなかなかドキドキする感じの内容だったと思います。裏の世界に行くと表の世界の人間の本音のようなものが見えるのですが、それを倒すと表の世界の人間の性格が反転したりするんですよね。これ、結構怖いものがあったと思います。
あとBGMも氷石さんの音楽が使われていて、なかなか良い感じだった覚えがあります。

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「RPGツクールモバイル型リバーシ」
作者:YADOさん
http://kkni.net/
これもう「凄い」としか言いようがありません
ツクールモバイルのような機能が制限されて本当にRPGしか作りようがないツールで、どうして「リバーシ」が作れるのか!?
何が凄いのかは実際にモバイルでツクった人にしかわからないとは思いますが、いやこのツールって変数も乱数もコモンイベントも存在しないのですよ。YADO氏は「スイッチ」と「所持金」だけを使って、ちゃんとAIを持った敵と対戦ができるリバーシを作ってしまったのです。これが偉業でなくてなんだというのでしょうか?しかもこのAI,結構強いので適当に置いていると簡単に負けます。とにかくスゴい。

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「岩動」
作者:YADOさん
http://kkni.net/
YADO氏のページで公開されている「岩ゴロ」をモバイルに移植した作品のようです。
押すと3マス移動する岩を上手くゴールに移動させるというシンプルなパズルゲームなのですが、実はこれもトンでもない作品です。なぜならツクールモバイルには「主人公の向き判定」もなければ、移動命令に「主人公から遠ざかる」というコマンドもないからです。
つまりYADO氏は前述のリバーシと同様、所持金を変数代わりにして全てのゲーム状態を記録させ、スイッチだけで情報を引き出しイベントの動きの判定処理をさせていたのです。恐ろしいにもほどがあります。
ゲームのステージも非常に良く出来ており、かなりやりがいのある大変面白いパズルゲームになっていました。ただ、恐らくはバグ?で最後の一ステージがクリア扱いにならず全ステージクリア、とならなかったのが唯一の心残りではあります…。

「0からの挑戦」
作者::時村浩輔さん
http://siroutogame.blog113.fc2.com/blog-entry-27.html
主人公が数字の0で、フィールドにおかれた数字と=や+や÷などの記号を駆使して(たしか)「9」に変身したらクリア、という発想の面白いパズルゲームでかなり楽しめました。
エンディングもコミカルな感じのオチで良かったと思います。

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「猫のニャオ」
作者:アキフデ ミイヨさん
http://arakaruto.ninja-web.net/index.html
実はさりげなくお気に入り作品の一つです。これはネコが飼い主の元を逃げ出してファンタジー世界(お菓子の国だったかも)に迷いこんでしまい、それを追いかけてきた飼い主(子供たち)と一緒に冒険することになる…という筋書きのお話なのですが(そうだったと思う)、とにかく他の作品と毛色が違う(猫だけに)。作者の方がかなりご年配の方らしいというのが多分大きいんでしょうけどね。
世界観はメルヘンなんですけど、ストーリーで唐突に出てくる悪い奴(ラスボス)が凄い怖いビジュアルだったり、その本拠地が「夕闇の世界」っていうこれまたちょっとコワイ感じの世界だったり。でも戦闘中使う技は「一発ギャグ」とか言う名前で思わず「なんでやねん!」って突っ込みたくなるようなのが多かったです。システム面のアラが非常に多いと言えば多いのですが、でもなんか全体的に若者の男では決してやらない、独特な凝り方をしてる感じが斬新でした。
ついでにちょっとネタばれすると、ラスボスも手、目玉、口、目玉、手という構成で、単体のラスボスが多い投稿作品の中ではなかなか珍しくインパクトがあったと思います。
(ラスボス固有技の"アイテクニク"とか、字数足りなかったけどなんとか入れました感とかが、こう妙に印象にのこってたりなどですね)

▼Web上に痕跡が残っていないが個人的に印象に残っている作品など▼
「アトラ=アクィルス」
作者:デクスターさん
最初期の作品で、ツクール初心者の多い中全体的にソツのない作品でした。
ダンジョンが基本的にツクール2000の戦闘背景を使用した分かれ道が2,3個くらいの一本道横スクロールマップで出来てたのが斬新だった覚えがあります。キャラ(顔グラで綺麗)の掛け合いも楽しかったです。
ツクールモバイル作品はザコ戦とボス戦でBGMの切り替えができないのですが、この作品で使われていたBGMはザコでもボスでも違和感ない感じで選曲が上手いなというのが個人的に評価かなり高いです。また、ラスボスは二体のボスがそれぞれ攻撃役と回復役に分かれて襲ってくるという構成ですが、敵のHP上限が低く行動がランダムであるために戦闘が単調になりがちなツクールモバイル作品であるにも関わらず、かなり盛り上がるラストバトルになっていたのが燃えました。

「DEVIL's GAME」
作者:MS-Rさん
脱出ゲームです。戦闘もありますが、主人公はただの少年なので基本的には勝てず、特定の手順を踏んで回避するか、なんらかのアイテムを手にいれて倒さなくてはなりません。テキストがゲームブック的でセンスがあり、少し恐怖感もあって非常に良い雰囲気かつ面白い良作でした。
ラスボスである魔王も普通に戦いを挑むと絶望的な強さを誇りますが、ある方法に気づくとなんとか倒すことができます。(中がのぞけないので憶測ですが)戦闘開始前に所持アイテムをすりかえる事により、敵によってアイテムを使用した時の効果が変化しているという処理が個人的に「こういうこともできるのか…」と非常に感心したポイントだったりしました。

「気球旅行」「気球旅行2」
作者:ライタユカコさん
戦闘もなければ特にイベントやストーリーもないのですが、のんびりと雰囲気を味わえる良作です。
この世界には小さな島が点々と存在していて、移動手段はもっぱら気球です。気球に乗って、いろんな島を回って、散歩する。ただそれだけですが、なかなかに楽しかった覚えがあります。
作品世界には主人公ののる初心者用気球の他にも、中級免許を取得すると乗れるようになるもっと高性能な何種類もの気球が存在することが示されているのですが、乗れるようになる前にお話が終わってしまうのが非常に残念でした…。個人的に、作者の方には是非リメイクして欲しい作品です。

「エレメンツアワー」
作者:jineさん
MOTHER2風味のオール自作グラフィックで、ポケモンのように火、水、地、草、霊、機、無の属性を持つモンスターたちを倒し仲間にして先に進んでいくRPGです。
戦闘関係は実のところ大雑把で、中盤以降あまり属性を意識しなくても手持ちのモンスターの技が強ければ簡単に勝ててはしまうのですが、敵キャラ一体一体がいい味を出していて、さらに集めるとそれぞれの解説が見られたりしてなかなか壮観です。あとBGMが結構良くて、戦闘曲はなかなかノリノリで熱いいい曲だったように思います。エンディングで使用素材に触れられていなかったので自作なのかは不明ですが…これも可能ならもっかいやってみたい作品ではあります。

「SPECIALIST TWIN」
作者:花見宏次さん
二人組のスパイがビルに潜入し、銃火器を手に入れながら人質を解放しつつ最上階へ向かう!と言った内容のRPGです。
記憶があいまいなのですが、確か主人公二人のどちらを選ぶかでプレイ感が違う感じなのも面白かったと思います。また、完成度としては非常に高い作品だったと思います。クリアするとおまけがあり、本編のちょっとした「NG集」が見られるのですが、これが妙に面白くて個人的には非常にツボでした。

「輝く大地」
作者:ユウコウさん
実はストーリーの出だしとかあまり覚えていません。ゲームとしてはオーソドックスなRPGで、FFのように1ダンジョンクリアしたら必ずボスがいてストーリーが進む、というシンプルでわかりやすい構成の内容だったと思います(このお約束の1ボス1ダンジョンスタイルって、ツクール作品だと意外にありそうでないと思います)。
とにかくゲームを進めていくと、途中で「主人公たちは実は魔族だった」という、善悪が逆転するありがちな衝撃の展開がまっているわけですよ。いや主人公の回復技が「ダークヒール」とかだったり妙だなとは思ってたんですが。
で、終盤に向かって装備アイテムを整えていくと、いつの間にか主人公の装備品が「漆黒の兜」とか「暗黒の剣」みたいな(※名前はうろ覚え)、凄く厨二病的でダークかつ強そうな名前で埋め尽くされていくわけですよ。なんかそれが凄く印象的でした。

▼その他▼
面白かったゲームというわけではないのですが、最後に、印象に残っているという点で下記2作品についても触れておきます。

「THE・迷路タワー」
作者:戸健直叉さん
犬が非常に巨大な迷路をひたすら歩きまわり、出口を目指します。
正直「なんじゃこりゃ!?」と思いましたが、ゲームとは何か、深く考えさせられました。

「イレクチャー」
作者:Mony inc.さん
手を出した作品の中で唯一プレイを諦めた作品です。それだけに悔しい思いが強く、何故か印象に残ってしまってます。まず、アイテム名が名前をみても効果がわからないものだらけで、試しに使って見ると自分にダメージが来て死にます。会話も意味不明なものが多く、次になにをするのか途方にくれました。それでもめげずに洞窟に入ってみると、水が邪魔して進めないから水位をさげないといけない。…でこの仕掛けが何をしてもわからず、諦めてしまいました。悔しい…!もうコンテンツ終了してしまったので再チャレンジすることもできないというのが無念です。

…と、投稿作品については以上です。
ちなみにツクール公式の名残はWebアーカイブ→http://web.archive.org/web/20071010011546/http://www.enterbrain.co.jp/tkool/tukumoba_rpg/toukou/toukou/index.htmlからなんとか閲覧出来るようです。
自分の投稿作品については、また別の記事で書こうと思います。
posted by はしもと at 13:10| Comment(2) | 作品紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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